目視による外観検査とは?作業方法・抱える課題と解決方法までご紹介

COLUMN(外観検査自動化)

目視による外観検査は工場や製造現場における検査方法のひとつです。製品の品質や安全性を確保するために欠かせない外観検査は、目視による検査が一般的ですが、その技術や方法には様々なポイントが存在します。この記事では目視による外観検査に焦点を当て、検査のメリット・デメリットや方法、コツなどについて詳しく解説していきます。さらに、工場での効率的な目視検査方法や自動化技術の可能性など、目視検査のスキル向上や検査の高度化に必要なノウハウも幅広く取り上げています。それでは、目視による外観検査について、深堀りしていきましょう。

目視による外観検査とは?

目視による外観検査は、製品や部品の外観や状態を直接視覚的に確認する手法です。人間の目で見て品質や不良を判断することで、製品の信頼性や安全性を確保します。この検査手法は、製造業の様々な分野で広く利用されています。外観検査は、製品が仕様や規格に適しているかどうかを確認する重要なプロセスです。例えば、製造された製品が正確な寸法や形状を持っているか、表面に傷や汚れがないかなどを確認します。この手法は、品質管理の一環として品質保証を実現するために不可欠です。しかし、目視による外観検査は製品の信頼性を高める一方で、労力と時間がかかるというデメリットもあります。ほかにも目視に頼るため、作業員の訓練が必要であり、大量生産においてはコストと時間の面で課題もあります。これらの課題にも対応するため、近年では自動検査技術の導入が進んでいる検査方法となります。

目視による外観検査のメリットとデメリット

目視による外観検査のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

人間の感性を活かした判断が可能

目視による外観検査の主なメリットの一つは、直感的で人間の感性を活かした判断が可能な点です。作業員が製品を観察することで、微細な不良や品質の変化を素早く発見できます。また、検査項目の変更や柔軟な対応が容易で、簡便な設備から検査が可能です。

複雑な検査が可能

もう一つのメリットは、複雑な形状や表面の状態を確認できる点です。機械的な検査装置では難しい微細な部分の確認が目視によって可能となり、品質の向上に寄与します。この柔軟性と精度は、特にカスタム製品や高品質要求の製造に適しています。

デメリット

検査員による検査精度のばらつき

一方で、目視による外観検査にはデメリットも存在します。まず、人為的な要素が介入するため、作業員の主観や疲労が検査結果に影響を与える可能性があります。これにより、検査の一貫性や信頼性が損なわれる恐れがあります。

検査員の教育が必要

目視に頼るために作業員のトレーニングや技能が必要であるため、新規作業員の教育にも時間がかかります。これにより、生産ラインのスケール拡大や短納期の製品においては、追いつかないという問題も発生する可能性があります。

目視による外観検査の項目

目視で外観検査をするときの検査項目は次の3つです。

形状確認

形状確認では製品や部品の寸法や形状が仕様に適しているかどうかを確認します。機械部品や組み立てられた製品が正確な形状を保っていることは、機能性や性能の向上に直結します。微細な変形や歪みも見逃さず確認することが、製品の品質向上に寄与します。

表面状態の確認

表面状態の確認では外部表面に傷やへこみ、汚れ、塗装の均一性など、製品の美観や品質を確認することが求められます。特に一般消費者向け製品では、外観品質が製品のブランド価値や顧客満足度に大きな影響を与えます。これにより、市場競争力を維持し、顧客に信頼性の高い製品を提供できるようになります。

作動確認

目視による外観検査は製品の形状や表面の状態だけでなく、製品の動作を確認する項目も含まれます。機械部品などの製品においては、正確かつ安定した動作が求められます。そのため、作動確認によって検査対象の製品が設計通りに動作・機能しているかどうかを確認していきます。測定器などで定量的に検査しにくい動作などは目視で検査するとよいでしょう。

目視による外観検査の基準

目視で外観を検査するときには見本を用意して比較確認をすることで検査の精度を上げることができます。ここでは、目視外観検査で使用する見本の種類を紹介します。

標準見本(マスターサンプル)

標準見本、通称「マスターサンプル」は、目視外観検査の基準となる製品または部品です。この見本は理想的な状態を示し、製品の設計や品質基準に合致しているサンプルを選定、または作製することで用意することができます。作業員はこの標準見本を基にして検査を行い、標準との差異を確認します。標準見本は検査の統一性を確保するため、品質管理の基準として不可欠なものとなります。

限度見本

限度見本は、標準見本に対する許容範囲や誤差を示すサンプルです。検査対象の製品が標準見本と完全に一致しない場合でも、これらの限度内であれば合格と判断されます。通常の生産では生産されない状態の製品となるため、加工などをして作製することが多いです。

不良見本

不良見本は、検査対象の製品において許容されない欠陥や不良を具体的に示したものです。製品がこの不良見本に合致する場合、それは不良品として判定されます。これによって不良品が市場に流通するリスクを低減し、顧客満足度を確保につなげることができます。

目視による外観検査の検査方法

目視での外観検査の方法はいくつかあります。検査の効率と精度を比較したときに、適切な検査方法を選択するようにしましょう。

抜き取り検査

抜き取り検査は、製品や部品の一部をランダムに選んで検査する方法です。生産ラインから製品を抜き取り、その抜き取った製品を対象に検査を行います。この方法は全数検査に比べて効率的であり、一定の信頼性を確保しながら検査時間やコストを削減することができます。ただし、抜き取り検査では不良が偶然にも見落とされる可能性があるため、検査頻度やサンプル数の適切な設定が重要です。

全数検査

全数検査は、製品や部品のすべてを検査する手法です。生産ラインから出てくるすべての製品に対して目視外観検査を行います。この方法は非常に信頼性が高く、検査漏れのリスクが低い特長がありますが、生産速度やコストの面で課題が生じることがあります。大量生産においては効率性の向上が求められ、全数検査が難しい場合があります。

インライン検査

インライン検査は、製品が生産ライン上で移動する際に、その途中で検査を行う手法です。生産プロセスの一環として組み込まれ、製品が次の工程に進む前に外観検査が行われます。したがって、不良品が次の工程に進むことを防ぎ、品質の向上、生産の効率化を実現することができます。

オフライン検査

オフライン検査は、生産ラインから出た製品を別の場所に移して検査を行う手法です。通常、専用の検査スペースや検査ラボが使用されます。この方法は生産ラインの流れを妨げないため、効率的に検査ができる利点があります。ただし、製品の移動に時間がかかるため、生産サイクルには影響を与えることがあります。

目視による外観検査のコツ

目視による外観検査をする場合、適切な検査方法を設定するコツを紹介します。

見本・基準を用意する

目視外観検査のコツのひとつは、明確な見本や基準を用意することです。検査対象となる製品や部品の理想的な状態を示す標準見本を設定し、作業員に提供します。このとき作業指導票などを合わせて検査のポイントを指示することで、さらに検査の精度を上げることができます。

作業員の教育

作業員の適切な教育は目視外観検査において不可欠です。見本や基準に従って製品を評価するスキルを身につけさせることで、検査の一貫性が確保されます。検査員は不良を見逃さず、正確かつ迅速な判断ができるようになります。定期的なトレーニングやフィードバックを通じて、作業員のスキル向上を促進することが大事です。

検査環境の整備

効果的な目視外観検査を行うためには、適切な検査環境を整備することが重要です。明るい照明は適切な視認性を確保し、作業員が製品を正確に見ることができるようにします。また、快適で集中できる作業環境を提供することで、検査の効率性が向上します。整備された環境は検査員のミスを減少させ、高品質な外観検査を実現していきます。

目視による外観検査の課題

目視による外観検査の課題を把握しておくことも大切です。

ここでは課題をいくつか紹介していきます。

検査員の人手不足

目視外観検査において検査員の人手不足は大きな課題となっています。製品の多様性や生産量の増加に対応するためには、十分な人数の検査員が必要です。しかし、人口の減少の影響などで、資格を持った検査員の確保が難しくなっています。

検査員の検査精度の統一が難しい

検査員の個々の主観や技能の違いにより、検査精度の統一が難しくなる課題があります。同じ基準に対して検査員ごとに評価が異なることで、品質の一貫性が損なわれる可能性がでてしまいます。トレーニングやガイドラインの徹底、またはデジタルツールの導入により、検査員間での評価の一貫性を高める取り組みが必要です。

検査効率が悪く費用がかかる

目視による外観検査は、時間と人的リソースを多く必要とするため、検査効率が悪くかつ費用がかかるという課題があります。大量生産においては、生産サイクルにおける検査プロセスのボトルネックとなりかねません。自動検査技術やデジタル化の導入により、検査の効率向上とコストの削減が必要になってきます。

外観検査は目視検査から自動検査へ変更がおすすめ

目視による外観検査で効率やコスト面で行き詰まりを感じる場合には検査の自動化を検討すると良いでしょう。目視による外観検査の自動化について説明していきます。

外観の自動検査とは?

外観の自動検査は、人間の目で行っていた外観検査を機械やソフトウェアを利用して自動的に行う方法です。カメラやセンサーなどを使用し、製品や部品の形状や表面の状態を高精度に判定していきます。

外観検査を目視から自動に変えるメリット

外観検査を目視から自動に変更することには多くのメリットがあります。まず、自動化により検査速度が向上し、大量の製品を迅速に処理できます。また、機械は疲れず一貫して高い精度で検査を行うため、人為的なミスが少なくなり、品質管理が向上します。これにより、製品の信頼性が確保され、生産ライン全体の効率性が向上していきます。

AIを使用した外観の自動検査でさらに効率UP

外観の自動検査において、人工知能(AI)の活用が進んでいます。AIは学習アルゴリズムを使用して、様々なパターンや変化を把握し、それに基づいて検査を行います。これにより、製品のバリエーションや複雑な形状にも対応でき、検査の柔軟性が向上します。AIを導入することで、検査の効率がより一層向上し、生産プロセス全体がスマート化されていきます。

まとめ

目視による外観検査について説明しました。目視による外観検査は機械で判定できない不良などを発見するためには重要な検査内容となります。しかし、機械による外観検査の精度も近年向上してきている現状があります。したがって、外観検査しなければならない条件を把握して適切な検査方法を設定していくようにしましょう。また、AIを活用した外観検査の技術も進化してきているため、費用対効果がある場合には導入を検討していきたいところです。