マテリアルハンドリング【言葉の意味から業界の今後まで解説!!】

COLUMN(搬送自動化)

マテリアルハンドリングは、製造業や物流業界などで不可欠な概念です。効率的なマテリアルハンドリングは、生産性や労働効率を向上させ、コストを削減し、作業場の安全性を高めます。この記事では、マテリアルハンドリングの意味や原則、さまざまなマテハン作業に使用される機器の種類、そして業務効率化のメリットについて紹介しています。それでは、マテリアルハンドリングについて、知識を深堀りしていきましょう。

マテリアルハンドリングの意味とは?

マテリアルハンドリングは、製造業や物流業界などで広く使用される重要な概念です。これは、物資や製品を移動、保管、および管理する運搬に関わるプロセスを指します。効率的なマテリアルハンドリングは、生産性や労働効率を向上させ、コストを削減し、作業場の安全性を向上させることができます。

一般的なマテリアルハンドリングの作業には、フォークリフトなど様々な機械や機器が使用されます。これらのツールを使用して、物資を効率的かつ安全に移動させていきます。

マテリアルハンドリングの効率化は、企業の競争力を高めるために重要です。正確な在庫管理、迅速な製品の取り扱い、および効率的な物流は、顧客満足度を向上させ、企業の収益を増加させることができます。そのため、組織はマテリアルハンドリングプロセスの最適化に注力しています。

マテリアルハンドリングの4原則

活性荷物の原則

活性荷物の原則は、モノが動きやすくなるような状態に保つことを指します。この原則に従い、モノの移動を効率化して、作業員の負担が軽減されるようにしていきます。例えば、回転可能なキャスターが付いたパレットで荷物の移動を簡単にすることがこの原則にあてはまります。

自重軽減の原則

自重軽減の原則は、モノを持ち上げたり移動させたりする際に、作業員の重量の負担を軽減するために使用されます。これには、機械や機器を使用して自動化されたプロセスを採用することが含まれます。例えば、フォークリフトなどの装置を使用することで、作業員の負担を最小限に抑えることがあげられます。

重力化の原則

重力化の原則は、モノの移動において重力を利用することを指します。極力人力や電力に頼らずに工夫して人力や電力を最小限に抑えていくことが重要です。

継ぎ目の原則

継ぎ目の原則は、モノを移動させる手段が変わる際の継ぎ目で、ムダを最小限に抑えることを指します。例えば、前工程から次工程への材料の移動を自動化することがあげられます。

作業内容別マテリアルハンドル機器の種類

入庫作業

入庫作業におけるマテリアルハンドリング機器には、フォークリフト、パレタイザ/デパレタイザ、バンニングシステム/デバンニングシステムなどがあります。

フォークリフト

フォークリフトは重い荷物を持ち上げ、効率的に所定の位置まで運ぶことができます。ただし、作業員の免許取得が必要となります。

パレタイザ/デパレタイザ

パレタイザ/デパレタイザも入庫作業において重要な役割を果たします。これらの装置は、パレット上のモノを積み重ねたり、積み重ねたモノを降ろしたりすることで、スペースを最大限に活用し、効率的な保管が実現できます。

バンニングシステム/デバンニングシステム

コンテナにモノを詰め込むシステムをバンニングシステムといいます。反対にコンテナからモノを取り出すシステムがデバンニングシステムです。コンテナなどを活用することで、効率的な受入れ作業をサポートします。

運搬作業

運搬作業では、CTU(Closed Transport Unit)、無人搬送車(AGV/AMR)、天井走行車などが使用されます。

CTU

CTU(Carton Transport Unit)は、ガイドに沿って走り、所定棚から物資を取り出すロボットです。人の代わりに取り出したい物を取り出せるため、作業の効率化に寄与します。

無人搬送車(AGV/AMR)

無人搬送車(AGV/AMR)は、自動誘導システムを搭載しており、人の介入なしで物資を運搬することができます。荷物を積んだ台車や棚を所定の場所へ運ぶ際に一般的には使用されています。

天井走行搬送システム

天井走行搬送システムは、天井に設置されたレール上を移動する搬送ロボットです。天井のスペースを利用することで倉庫内のスペースを最大限に活用し、商品の迅速な運搬を実現します。

仕分け作業

仕分け作業には、コンベア、ソーター、オートラベラなどの機器が用いられます。

コンベア

コンベアは、モノを一定の速度で運搬する装置です。作業者は商品を手作業で運ぶ必要がなくなり、作業効率が向上します。

ソーター

ソーターは、商品を自動的に仕分ける装置です。バーコードなどの識別システムを使用して、商品を正確に仕分けます。これにより、作業者の負担が軽減され、高速な仕分け作業が可能になります。

オートラベラ

オートラベラは、コンテナや段ボールに自動的にラベル付けする装置です。対象物に必要な情報を正確に貼りつけることで、出荷の精度や効率性を向上させます。

保管作業

保管作業に使用されるマテハン機器の特定の名称はありませんが、保管作業においてもロボットなどで自動化することで、効率化を向上させることが可能です。

出荷作業

出荷作業では、デジタルピッキングシステム、自動投函機、DWS(Dimensioning, Weighing, and Scanning)などの機器が使用されます。

デジタルピッキングシステム

デジタルピッキングシステムは、作業者に出荷する商品の場所を示すためのデジタルディスプレイや音声案内を提供するシステムです。これにより、作業者は迅速かつ正確に商品をピッキングでき、作業者毎の作業スピードのばらつきを抑えることができます。

自動投函機

自動投函機は、商品を自動的にパッケージ投函から梱包までを行う装置です。梱包作業が多くある場合には導入するとよいでしょう。

DWS

DWS(Dimensioning, Weighing, and Scanning)は、商品の寸法や重量、バーコードの貨物情報を自動的に測定するシステムです。配送の際の荷台スペースのムダなどの改善などに役立てることが可能です。

マテハン機器を活用した業務効率化のメリット

生産性の向上

マテリアルハンドリング機器の活用により、モノの移動作業の効率が向上します。人の手で行われていた作業を機器により自動化することで、作業スピードの向上やポカミスの抑制となり、多くの作業が短時間で行われ、生産量が増加します。また、人と違い疲労することがないため、24時間での生産も可能となり、生産時間の工数の捻出も容易になります。

ヒューマンエラーの削減

人間が手作業で行う作業では、ヒューマンエラーが発生する可能性があります。しかし、マテリアルハンドリング機器を使用することで、このリスクを大幅に削減することができます。自動化されたシステムやセンサー技術によって、正確で一貫した作業が実現され、誤りや事故の発生が減少します。これにより、生産プロセス全体の信頼性が向上し、品質も向上します。

マテリアルハンドリングの現状課題

機器のトラブル対応

マテリアルハンドリングシステムのトラブルは、生産性や効率に深刻な影響を与える可能性があります。機器の故障やメンテナンスが適切に行われない場合、生産停止や作業遅延が発生するリスクがあります。したがって、迅速で効果的なトラブルシューティングやメンテナンス体制を整えておく必要があります。

導入コストが高い

マテリアルハンドリングシステムの導入には、高額な初期投資が必要です。機器の購入、設置、カスタマイズ、トレーニングなどの費用がかかります。特に、最新の自動化技術を導入する場合、そのコストはさらに高額になる場合があります。企業はこれらの費用を管理し、投資回収期間を考慮して導入する必要があります。

マテリアルハンドリング業界の今後は?

コロナ渦で高まったマテハン需要

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインショッピングやホームデリバリーの需要が急増しました。これに伴い、マテリアルハンドリング業界における需要も増加しています。倉庫や物流センターでは、迅速かつ効率的な商品の取り扱いが求められ、自動化やロボット技術の導入が進んでいます。

マテハン業界のAI導入

人工知能(AI)技術の進化により、マテリアルハンドリング業界ではさまざまな革新が期待されています。AIを活用した予測分析システムの導入により、作業プロセスの最適化や効率化が期待されています。また、AIを搭載したロボットや無人搬送車の普及も進み、より柔軟で効率的なマテリアルハンドリングが実現されていくでしょう。

日本マテリアル・ハンドリング協会とは?

出典URL:https://www.jmhs.gr.jp/

日本マテリアル・ハンドリング協会は、物流や製造業界におけるマテリアルハンドリング技術を広く収集し、発信している業界団体です。ホームページでもマテハンに関わる情報が様々に掲載されているため、マテリアルハンドリングについて詳しく知りたい方はホームページを確認してみると良いでしょう。

まとめ

マテリアルハンドリングは製造業や物流業界において重要な役割を果たしています。効率的なマテハンは生産性や労働効率を向上させ、コスト削減や作業場の安全性を高めることができます。したがって、マテリアルハンドリングの原則を理解した上で、作業ごとに適切な機器を選択すると良いでしょう。また、マテリアルハンドリングの業界の課題や導入事例など、これからも、情報は更新されていきます。常に最新のマテハン情報を収集して、最適なマテハン設備の導入を検討していくことが重要です。